[開業後の主要開発品]

   定電圧電源装置(自家用)

正面パネル外観 仕様
 ・電圧可変範囲:0〜±18V    (トラッキングタイプ)  ・出力電流:0〜200mA    (正負独立に電流制限の設定可能)


   ユニバーサルカウンタ(自家用)

正面パネル外観
仕様
 ・周波数カウンタ:0.1Hz〜10MHz TTL,C-MOSレベル入力
    アンプ入力端子使用時 感度50mVp-p 入力Z=1MΩ
    プリスケーラ端子使用時 10MHz〜2.4GHz
 ・周期カウンタ:0.5μsec〜10sec
 ・周波数比カウンタ:A入力(0.1Hz〜10MHz)とB入力(0.1Hz〜2MHz)の周波数比を測定
 ・時間幅カウンタ:A入力→B入力のパルス入力時間差を測定 0.5μsec〜10sec
 ・パルスカウンタ:0〜99999999 最高測定速度 10Mパルス/sec

   定電流電子負荷装置(自家用)

正面パネル外観 仕様
 ・設定電流:0〜10A
   レンジ切替(1A,10A)
   電流計(LCD表示)付き
 ・最大印加電圧:36V
 ・クーリングファン:自動運転



   ショートサーキットディテクタ(短絡箇所検出装置)

機器の目的
・自動車用ワイヤハーネスの地絡箇所を、目視検査によらず非接触で見つけるためのサービス用ツールである。

特長
・フロアカーペット等をはずすことなく、地絡箇所を探査できる。
・インパネ等着脱に手間の掛かる部品をはずす必要があるか否かの判断ができる。

効果
・安い修理につながる。
 1.診断時間が短縮される。
 2.部分的修理が可能になるので、部品代の削減になる。

原理
・適当な交流電流を被検査ラインに流す。
・センサはこれらの電流が作る磁場を感知する。
・地絡点付近の磁場の変化を捉えてディテクタに信号を送出する。
使い方イラスト

 1.被検査ライン

 2.地絡点

 3.アース

 4.センサ

 5.ディテクタ本体


正面パネル外観 センサ部外観

この写真はプロトタイプ


   オープンサーキットディテクタ(断線箇所検出装置)

機器の目的
・自動車用ワイヤハーネスの断線箇所を、目視検査によらず非接触で見つけるためのサービス用ツールである。

特長
・フロアカーペット等をはずすことなく、断線箇所を探査できる。
・インパネ等着脱に手間の掛かる部品をはずす必要があるか否かの判断ができる。

効果
・安い修理につながる。
 1.診断時間が短縮される。
 2.部分的修理が可能になるので、部品代の削減になる。

原理
・適当な交流電圧を被検査ラインの一端に加え、他端には位相の反転した電圧を加える。
・センサはこれらの電位が作る電場を感知する。
・切断点付近の電場の変化を捉えてディテクタに信号を送出する。
使い方イラスト

 1.被検査ライン

 2.線端(給電点)

 3.アース

 4.センサ

 5.ディテクタ本体


正面パネル外観 センサ部外観


   ブレーキフルードテスタ

ブレーキフルードテスタ外観
機器の目的
・ブレーキ液の劣化度(含水率上昇に伴う沸点の低下)を測定する

特徴
・含水率の上昇に伴う電気抵抗の低下をみることにより、間接的に劣化度を調べる
・液体の抵抗測定なので、1kHzの交流を印加している(電気分解、電池化等を避けるため)
・抵抗値に液温依存性があるので、温度補正をしている
ブレーキフルードテスタ使い方 極板及び温度センサ

マスタシリンダリザーブタンクに極板を浸して測定する

※その後の顛末('05,6,29追記)
 本件に関し何件か照会を頂いた。多くは、自動車整備に携わる方で、ブレーキ液交換の判断や顧客へ交換を勧める際の説明材料としての興味に基づくものだった。本試作品は製品化には至らなかったが、上記目的には充分に使える簡易な手法があるので紹介したい。

<本試作品の問題点>
 性能的にはそこそこまで追い込んだのだが、最後に致命的な弱点が分った。それはサンプル(ブレーキ液)により含水率と電気抵抗の相関が異なると言うことだった。メーカの違いは勿論の事、同じメーカでもDOT3とDOT4では異なるという始末であった。これは考えてみれば当たり前のことかもしれない。添加物が違えば当然電気抵抗は変わるだろう。そもそも押さえるべきブレーキ液の物性として電気抵抗が規定されている訳でもなく、改良により変わらないと言う保証もない。
 どうしても電気仕掛けで劣化度を見たければ、加熱して温度変化を見ることによる沸点測定をするしかないだろうと結論付け開発を終了した。開発に先立ち、予備実験をする中で高精度の定量測定とは言い難いが、上記目的の使用には耐える手法を見出しているので記載する。

<簡易手法>
 サンプルをスポイト等で少量取り、有機溶剤(ラッカシンナで可)中に滴下し、白濁の程度を見る。未含水サンプルや水100%では白濁しないが、含水サンプルではかなり敏感に白濁し且つ、含水率によって濁り具合に明確な差が出る。従って、含水率を変えたサンプルを何種類か用意し、白濁の程度を事前に確認しておけば、定性的な判断は充分に可能である。

   燃料ポンプ診断用ローパスフィルタ

燃料ポンプ診断用ローパスフィルタ外観
機器の目的
・不具合が容易には再現しにくい燃料ポンプの故障診断に用いる

特徴
・モータの電流波形を観測する際、診断に不要な高域ノイズを遮断する
・実際の使われ方としては、オシロスコープをストレージモードで接続し不具合再現時の波形を取り込む
  (それにより不具合再現まで待つことなく他の作業をすることができる)
・車載電源から浮いた状態で使うため、電池作動としたが低消費電流化をはかり電池寿命を延ばした
  (006P×1個で連続2週間程度)

   オフセット電圧付加装置

オフセット電圧付加装置外観
機器の目的
・自動車の電子制御システムにおいて、センサとコントロールユニット間に挿入し、センサ信号電圧を意図的にシフトさせる
・サービスマンの研修や故障診断に使用する

機能
・0〜±2Vの範囲で任意のオフセット電圧を設定できる
・上下限リミッタにより、異常な電圧がコントロールユニットに入ることを防いでいる

   トリガスイッチ及び可変抵抗デバイス

トリガスイッチ及び可変抵抗デバイス外観

トリガスイッチ
 真空成型

可変抵抗デバイス
 市販ケース

機器の目的
・疑似故障状態を意図的に作り出すためのツールで、サービスマンのトレーニング等に使用する

特徴
・トリガスイッチにはトランスファタイプを使用し、オープン(瞬断)ショート故障双方に対処できる
・可変抵抗デバイスは温度センサ(サーミスタ)の置き換えを想定し、対数カーブのバリオームを時計回りで抵抗値が減少する方向に使用した
・単純な機能の物だけに、使い勝手にはより気を使った(ケースの大きさ形状、スイッチのクリック感等)

   ワイヤレストーンリンガ

送信機 受信機
機器の目的
 電話の着信を離れた場所で知る
 ISDNにおいて、グローバル着信を含まないダイヤルイン契約時の鳴り分け用に使用

   LEDサインボード

LEDサインボード発光面
写真は「機能確認レベル」の試作品です

・2色LEDドットマトリクス(16×16)ボード8枚による3色表示
・表示可能モード
 1.スクロール(SCROLL)
 2.順次切り替え(SEQUENCE)
 3.湧き出し(WELL)
 *点滅(BLINK)、反転(REVERSE)その他任意のモードは「順次切り替え」により容易に実現可能
・反復回数、画面切り替え速度等を含めた表示内容を使用者自身で設計できる
・そのためのデータの書込はパソコンからシリアルケーブルを介して行う
・記憶可能文字数:全角500字程度(書き換え可能なメモリ領域)
・書き換えの不要な固定メッセージは事前打ち合わせにより、読み出し専用メモリに持たせることが可能

書込ソフト画面
表示内容設計ソフトのユーザインターフェース画面

   赤外電波リモコン変換器

送信機 受信機
← 赤外−電波変換器(送信機)

   電波−赤外逆変換器(受信機) →


 赤外線リモコンで、壁を隔てた別の部屋にある電子機器(実施例ではCSチューナ)を制御する。
 単なる変換−逆変換の他に、リモコンの未使用キーを利用した別機能(入力切換、元電源遮断)を追加している。

   恒温槽

恒温槽外観  D.I.Y.でビール作りをしている知人の要請で製作した。熱源(この例では電球)をON,OFF制御して設定温度範囲に保つ物(従って、冷やすことはできない)で、技術的な新しさはないが、個人レベルで気軽に使える適当な市販品がなかったことから作ることになった。

恒温槽制御部 ・温度測定及びON,OFFレベルの設定に、市販の温度計モジュールを利用している

・ファンは槽内の空気攪拌用

・温度計モジュール左側のLEDの点灯により蓋を開けずに、温度を確認できる



 同様の考え方で、以下の物も製作している。

・燻製用温度コントローラ
 100%通電の電熱器では、温度が上がりすぎ燻煙用チップが燃えてしまう

・昆虫越冬用温度コントローラ
 フィリピン産オオクワガタの越冬に使用


   蛍光灯用インバータ

インバータ外観 40W管2灯用
寸法:100W×60D×40H
重量:500g程度
 エポキシ樹脂を注入したので重くなった

 PCB含有安定器の交換用として、地元(山元町)教育委員会へ組込作業込みで納入した。

 今、自治体はどこも財政的に厳しいので、PCB対策として照明器具の全交換ではなく、安定器のインバータ化、或いはPCB含有部品であるコンデンサ単体の交換と言う手法を提案したところ、地元教育委員会から、近い将来の建て替えが決まっている中学校について、コンデンサ交換で対処したいと言う話が来た。
 調査した200台強の内、要対策品は10台程度(大半は低力率グロータイプで対象外)しかなかったが、それらの物は防湿仕様(密閉構造)だったり、ケース内部にピッチが充填されていたりで、コンデンサのみを交換することが出来ず、安定器ごと交換せざるを得ないこととなった。
 今時、鉄と銅の塊のラピッド用安定器をそのままとりかえるのも能がないし、何よりも電気的な仕様だけで手配すると、寸法的に器具内に収まる保証がないので、発注者の了解を得てインバータに変えた。

組込んだ状態
・上側に見える黒い物体が外した安定器
・インバータは耐熱強力タイプの両面テープで固定(軽いのでそれで済む)

  ※簡単な回路で済む高力率インバータを試作しました


   無線リモコンSW付延長コード

受信機正面パネル及び送信機外観 左側:受信機
右側:送信機

 車両のシガーライタから電源を取って使う投光器について、こまめに点滅したいがその都度投光器の傍に行くのは面倒なので、リモコンを使った点滅は出来ないだろうかとの相談を受けた。

 発案者はテレビ等に使われているリモコン(=赤外線リモコン)で、受光部を投光器本体に組み込むことを想定していたのだが、汎用性を考慮して制御対象機器(この場合は投光器)内部ではなく、電源のアウトレット部(この場合はシガーライタのソケット)に回路を組み込み、受信部の置き場所や姿勢に制約の少ない電波リモコンとすることを逆提案して試作した。

 コードの両端がシガープラグとシガーソケットで、ソケット側の筐体内に受信機が組み込まれた延長コードの体裁をなしている。同様の考えで、テーブルタップ内に受信機を組み込めば、AC100V用の機器を制御(試作済 製作用資料はこちら)することが出来る。

 電波リモコン用受送信ユニットが安価に入手できる様になって来たので試したのだが、面倒な調整も不要で部品感覚で使える優れものであった。屋内配線等に応用すると電線の節約やスイッチ類のインテリジェント化につながると感じた。


   米乾燥調製施設の自動化

 複数の農業者で集団を作り、機械や施設を共有して共同作業をする事例が見られるが、この形態で稲刈りをする場合、刈り取り後の米の流れは凡そ次の様になる。
収穫後の流れ
 共同作業では、限られた時間で効率的に仕事をする必要上、複数の乾燥機を使う。従って、刈り取った米をどの乾燥機に入れるかは、現場の作業者の判断で決める事になる。乾燥機自体の操作は、操作パネルの張込スイッチを押せば良いのだが、それとは別にシャッタの開閉や搬送ラインの起動停止もする必要がある。それら複数の操作の連係が不適当(例えばある乾燥機に張込もうとした時、より上流側の乾燥機のシャッタが閉まっていない)だと、別の場所から刈った米が混ざる等の不都合(請け負い作業の場合、損害賠償問題になりかねない)が起こる。農作業の場合、1年に1回の事なのでやり始めは特に注意しないと操作を間違う危険がある。何れにしろ、複数の事に注意を払わないと間違いが起きるというのは、システム上問題ありと言える。

 これらの事情により、「乾燥機のスイッチ操作だけで、関連操作(シャッタの開閉や搬送ラインの起動停止)が自動的になされる様にしたい」と言う要求があり開発した。

 スイッチ操作と自動実行事象の関連は以下の様になっている。
張込スイッチON→当該乾燥機のシャッタのみ開→張込搬送ライン起動
張込スイッチOFF→張込搬送ライン停止→当該乾燥機のシャッタ閉
排出スイッチON→排出搬送ライン起動
排出スイッチOFF→排出搬送ライン停止

制御部(マイコン) 制御部:マイコン(PIC16F874)を使った実施例(N地区)

ユニバーサル基板を制御盤の空きスペースに組込


制御部(PLC) 制御部:簡易型PLC(オムロン
 プログラムリレーZEN)を
 使った実施例(K地区)

制御盤の扉内側にDINレールを
介して取り付け


シャッタ(電動) 張込用のスクリューコンベアとシャッタ(N地区)

シャッタの開閉はラック&ピニオンを介した
リバーシブルモータにより為される

既設のリミットSWを利用して開閉状態を
検出している


シャッタ(手動) 張込用コンベアとシャッタ(K地区)

撮影時シャッタは手動であるが、将来の電動化に向け
リレーボックスとリミットSWを新設

リレーボックス上に見えるリミットSWはシャッタの全閉端検出用

電動化は現行の手動用の引き紐を、モータで巻き取る事に依る
手法を使う予定。改造コストが安く済むのに加え、故障時等に
手動で開閉可能となる。

手動のままでも、シャッタの開閉条件が整わなければ
搬送ラインは自動起動しないので不都合はない。


シャッタ電動化 シャッタの電動化改造(隣町O地区)

2個の握り玉を両手で操作する手動シャッタだが、この機構を生かしたまま電動化改造を行った。

両軸のウォーム減速機で一方の軸が巻取る時、他の軸はロープを解くようにしている。
これにより、正転逆転何れの場合もどちらか一方のロープが巻取りをするので、シャッタの開閉が実現する。

モータ等に不具合が生じても、ロープを解けば従来の手動シャッタとして使える。

シャッタが全開全閉端に来てリミットSWの働きで停止後、0.5秒程度モータを逆転させている。ウォームギヤの場合、負荷側からモータを回せないので、停止端で止め放しにするとロープに張力が掛かったままとなるからである。



操作パネル 乾燥機操作パネル(K地区)

パネル上のパイロットランプに
接続したフォトカプラを介して
乾燥機の運転状態を
検出している

貼付けのラベルはシャッタの
開閉状態を示すインジケータ
(写真には映っていない)の説明用



   ユニバーサルタイマ

 照度検出に依る自動点滅の看板灯について、人通りが無くなる深夜から早朝にかけての点灯は無駄なので、消灯したい(当然、自動で)との相談を受けた。

 そこで秋月電子扱いの「PIC簡易シーケンサ」の起用を思い付いたのだが、現物を調べてみると下記の様な弱点があった。
・停電保障がない
・リセット端子が剥き出しで外部に出ており、不用意にリセットされる懸念がある

 また汎用性を狙った所為か、必ずしも必要とは思えない機能も見られた。
・パソコンシリアルポートに依る時間データのオンボード書換→あれば便利だが、ユーザレベルでの書換が不要な用途では、D-subコネクタが邪魔。ソケットからICを抜くのを厭わなければ、書換は出来る。
・PICの出力電流で充分な用途も多いのに、トランジスタアレイが実装されている。
・出力が1,2本で良い場合、18pinのIC(16F84A)では無駄に感じる。

 これらの事情から8pinのPIC(12F675)を使ったタイマを作った。

ブロック図 PORT0:タイマ出力(適当な負荷--SSR,TR,リレーetc--を接続)

PORT1:目的に応じて使い分け
 アナログ入力:センサ接続etc
 デジタル入力:停電検出etc
 デジタル出力:タイマ出力(2CHタイマ)、LED(作動表示)etc

150Hzの頻度--4.9152MHzを32768(2の15乗)分周したタイミング--で
割込みを掛けている。割込み15回に1回の割(即ち、0.1秒毎)で
ダウンカウントを実行し、タイマ機能を実現している。
タイミング図
 動作モードは単/反復とON/OFFの区別がある。図は反復動作で途中でリセットされた場合を示している。
 反復動作の場合、@+A+Bが繰り返し周期になる。通常は@、Bのどちらかを0にセットする使い方をする。例えばON動作で@=0、A=8h、B=16hとすれば、START後、直ちに8時間ON、16時間0FF、以後その繰り返しだが、8+16=24h(1日)なので、同時刻に作動するデイリータイマとなる。依頼品の看板灯ではこの設定で2PMにSTARTさせた。(10PM消灯、日中はタイマONでも明るいので非点灯)
 単動作では、Bは意味を持たない。値をセットしても無効となる様にしてある。@だけをセットした場合は遅延タイマとして働き、Aだけをセットした場合はSTART後、直ちにKEEP TIME幅のパルスを発生する。双方をセットした場合は、START TIME経過後にKEEP TIME幅のパルスを発生する。

 時間データはマイコンのEEPROM(データ用)に書き込んである。各データに3バイト割り当てており、0.1秒毎に1を減じている。この辺は秋月のキットのやり方をそのまま踏襲している。
 3バイトなので、最大でFFFFFFh=16777215 1677721.5sec→466h(19日)まで扱えることになり、何日か後にスイッチを入れたり、ウィークリタイマとしても使える。因みに、キットに付属の書込みソフトでは100h以上のデータは書き込めない。
応用例
 浄化槽間欠曝気への適用例。OFF動作で@=0、A=8h、B=16hとして、毎日10AM〜6PMの間、曝気ポンプを止めている。OFF動作としたのは停電等によりリセットが掛かった場合に、ポンプが停止側になると不都合だからである。
 リセット時の再スタートが面倒な場合(時計機能はないので、好きな時に再スタートは出来ない)や、使用者に操作を期待できない時は、停電検出とバッテリバックアップで停電保障をする。

 緑がスタートSW、赤がリセットSW
 フォトカプラ1次側をPICで直接駆動している。

 製作用資料はこちら



   センサライト(Xeフラシャ版)

閃光  焦電センサ(赤外線を出す物体--例えば人体--の動きを検出する)と白熱電球を組み合わせた投光器はセンサライト等と称して安く売られているが、単なる投光器より威嚇警告効果のある物を作動させる装置ができないかと言う要望を受け試作した。
 安く上げたいとの事だったので、使い捨てカメラのストロボライト(キセノン-Xe-ランプ)を流用し、閃光を浴びた侵入者が撮影されたと思い退散することを狙った。
装置外観
 ストロボライトでは、Xeランプの他、トリガトランス、急速放電用ケミコン等一般には手に入り難い部品が必要となるので、知り合いの写真屋から譲り受けた現像済みの使い捨てカメラの部品を使っている。カメラの場合は電池から昇圧して放電用の高圧を作っているが、本機では商用電源を使える場所に設置することから、AC100Vを半波倍電圧整流(コックロフト・ウォルトン回路)して作った280Vで発光させている。カメラの場合は発光可能になるまである程度時間を要するが、商用電源を使うと1秒間に50回程度の発光が可能になる。但し、その場合は放電用コンデンサを2.2μF程度のフィルムコンに替える(カメラに搭載のケミコンでは、Xe管が発熱で持たない)必要がある。
 本機では、周囲がある程度暗く且つ、人の動き(人以外にも反応するが)を検出した時に、1回/秒の発光としたのでケミコンをそのまま使った。カメラではシャッタと連動する接点で、トリガトランス1次側とトリガコンデンサのループを作り発光させるが、本機ではサイリスタ(0.3A程度の小型品)を使った。サイリスタへのゲートパルス(1ms)は、コンデンサ結合したマイコン(PIC12F675)の出力ポートから与えられる。
 センサには松下電工製の「モーションセンサ」(パネル中央部の丸い突起)を使っている。焦電センサ、フレネルレンズ、アンプ等の電子回路が一体で3端子の小型パッケージに封入された優れものである。
 低消費電流化の工夫により野外での使用も出来そうだが、内蔵フィルムを撮り切る間だけ持てば良いと言う前提で設計されているであろう、カメラの昇圧回路をそのまま流用と言う訳には行かない。

 製作用資料はこちら



   定時放送支援装置

 団地の自治会で運営しているケーブルテレビのシステムにおいて、放送で使われていない空きチャンネルを使い自主製作番組を流している所があるのだが、毎日定時刻に無人放送をするための装置が古くなってきたので更新したいという相談を受けた。
 これまで使ってきた装置は業務用のVHSテープデッキ(電源を投入すると自動的に再生を開始し、テープエンドに達すると自動で巻き戻し電源を落として待機状態に戻る)で、タイムスイッチと組み合わせて使っていたのだが、2台ある当該テープデッキも1台は壊れ、古いため部品供給も修理も出来ないことから残りの1台が壊れない内に手を打とうとなった訳だ。

ブロック図

 画質等は民生品レベルで問題ないとのことだったので、家電品で安価に入手できるDVDプレーヤを再生機として使うことを提案した。DVDプレーヤの起用は下記の点でも好都合だった。
 ・DVDプレーヤには必ずリモコンが付いているので、所定時刻にリモコンの赤外信号を出す装置を作れば再生装置には殆ど手を加えずに済む。
 ・番組製作時、媒体としてDVDを使っている。(それを、わざわざテープに落としている)

装置外観
 市販DVDプレーヤとその上に重ねた支援装置

 手前にあるのが赤外投光器。支援装置本体にも赤外LEDは内蔵されているが、配置の制約回避と動作の確実さを狙い追加した。





 製作用資料はこちら



   50WパワーLED駆動回路

 ハロゲンライトを使った検査用の投光装置があるが、ランプ寿命が短いのでLEDに置き換えたいと言う要望を受け開発した。
 使用LEDについては、OptoSupply社製のOSW4XAHCE1E(秋月電子等で入手可)を指定された。
 回路図の公開やプリント基板等の販売許諾を得たので掲載する。
実装済基板外観
 電源はAC100Vだが力率改善のため分電圧平滑回路を使い、LED駆動用IC(MXHV9910)に依る定電流スイッチング回路とした。
 本機は50WパワーLED用となっているが、1.5Aの定電流出力回路であるから順電圧がより高いLED(=より多くのユニットが直列になっている物)を接続すればW数は増加する。例えばVf=50VのLEDであれば75W(=50V×1.5A)となる。分電圧平滑回路ではリップルの谷が70V程度なので、Vf=50VのLEDは問題なく点灯できる。
 回路定数変更に依り定電流設定値を容易に下げることができる。従って、よりW数の低い(10W、25W等)LEDの点灯も簡単である。

 製作用資料はこちら


点灯状態
 撮影の為に光量を極端に絞っている。フル点灯では眩しくて直視できない。

 基板左側の3Pコネクタは調光用VR、右側の4Pコネクタは点滅用スイッチと動作表示用LED(パイロットランプ)に接続。



会社ページに戻る表紙に戻る